うつくしいエンターテイメントの箱庭で少年たちは歌い踊る

見たこともない人が亡くなった。アイドルたちの又聞きでしか存在を確認できたことのない人だ。どんな声なのか、どれくらいの身長なのか、そもそもどんな人なのか、わたしはあなたに対する情報を帽子をかぶりサングラスをかけた一枚の写真しか持ち得ていない。それでも、あなたがいなければわたしはいま日々を楽しめていないと思う。新しい夢、うつくしい世界、永遠に続く平和の箱庭で踊るまっすぐでうつくしい少年たち。わたしが愛してやまないエンターテイメントの世界はそこにある。その世界を生み出したのはあなただった。毎日笑って、苦しいことがあっても前を向けるのは、振り返ればそこにその箱庭があることをわかっているからだ。ショー・マスト・ゴー・オン。何があってもショーは続いていく。だから、わたしは苦しくても前を向ける。だって彼らはいつも世界の上澄みを見せてくれる。キラキラ光ってあったかくて優しくて、それからちょっぴり泣きたくなるような。「こっちへおいでよ」「楽しいよ」と手を引いてくれる。そのことがどれだけわたしを支えてくれただろう。わたしがいま全力で何かを応援したり、応援している物事を通してたくさんの友達が出来ていること、全ての根底にあなたがいる。

本当のこどもたちが親の話をするように、彼の話をたくさん聞いた。怒られたこと、褒められたこと、いろんな話。だからきっと、わたしたちもみんなあなたが好きなんだと思う。特に合宿所時代の話を聞くのが好きだった。勝手に高い肉を焼いたり、晩ご飯がないからお願いして高い弁当を買ってもらったり、彼らの青春にあなたはたしかに親として存在している。

あなたの生み出した世界をたくさん見てきた。時に「意味わからん」「トンチキ演出」なんていいながら、それでもそれこそが魅力だと信じている。あなたの作った世界で舞う少年たちがこの世で一番うつくしいと胸を張って言える。それはきっと、わたしが言わなくてもあなたが一番そう思っているのだろうけど。

わたしたちの愛しているアイドルは、みんなあなたに見つけてもらった。まだまだ光の見えない原石も、あなたが磨けばみんな光った。それってすごいことだと思う。どんな人にも光があってその光に惹きつけられる人がいる。光らせられる場所があるのはすごいことだ。

たくさんの夢と愛をありがとう。

夢と愛は平和を守るうつくしい武器だと思う。それを示し続けてきてくれたあなたに最大限の敬意を表したい。きっとどこへ行ってもショーを生み出し続けるであろうあなたへ。あなたが愛した平和なエンターテイメントの世界が消えてなくならないように、わたしたちも精一杯愛を込めてショーを続けます。

ジャニーさん、ありがとう。まだまだショーは続きます。わたしも、みんなも。明日からも、うつくしい世界のために。