推しアイドルが卒業してしまった

勝田里奈さんは水のような人だと思う。見た目は穏やかで澄み渡っていて、ゆるりゆるりと自分の流れをたどっている。主張は激しくないけれど、瞳の奥には夢への強い水の流れがある。アンジュルムックでの和田さんとの対談でも、勝田さんの胸に秘めた気持ちがキラキラと目映く光っているのが昼間に見る川面のようで、わたしは眩しくて目をあけていられなかった。

夢がある。それってものすごく素敵なことだと思う。わたしは日々穏やかに好きなものを愛して生きていけたらと思っているけど、アイドルたちの夢のうつくしさに時折自分が恥ずかしくなることだってある。彼らや彼女たちは、わたしたちにうつくしくて強くて、それからとっても眩しい夢をたくさん見せてくれるから、時々それが永遠だと勘違いしてしまう。永遠なんてないけど、アイドルが切り取ってくれる一瞬一瞬が写真みたいにしっかり胸に焼き付いて消えないから、アイドルが永遠を見せてくれているのは本当。

りなぷ~の卒コンを生中継で観た。好きなアイドルの卒業公演を見るのは初めてだった。りなぷ~はいつもどおり、そしていつも以上に綺麗でまっすぐでうつくしかった。あんまり「卒業」というのを押し出している感じはなくて、いつもどおり凪いだやさしい笑みを浮かべたりなぷ~が歌って踊っているのを見て、この人はどうしてこんなにステージが似合うんだろうと思ったりした。りなぷ~は全然なかないのに、後輩たちはみんな泣いてて。いつもやいやい言い合ってるのにタケちゃんが最初にないちゃったり、かみこが歌えなくなるくらい泣いちゃったり。りなぷ~って「グループの支柱!」「リーダー!!!」みたいな存在ではないと思うんだけど(実際リーダーでもサブリーダーでもない)、不思議とグループの根幹を支えている人なんだなあと思った。挨拶も素敵だったな。いまアンジュのオタクとりなぷ~はライバルなんだよ。りなぷ~はアンジュを卒業してしまったけど、アンジュのオタクという共通項があるんだなあと思った。糸を切らさないでくれてありがとう。

卒コンのドレスといえばみんなメンバーカラーの衣装を着たりプリンセスみたいなドレスを着るのが定番になりつつあったけど、りなぷ~のシンプルなワンピース素敵だったなあ。すごく自分に似合うものを知っている人だな、と思った。そういうところがすごく好きだなあって。ソロ曲も、別れをイメージさせたりしない、うららかで春の日差しみたいなわくわくする曲。きらきらの笑顔で、ステージの真ん中で、あの歌を歌うりなぷ~がすっごくかわいくて。グループ内だとアンニュイな空気感が魅力だなと思っていたけど、スマ曲を歌ってるときとか今回のソロ曲とかのアイドルらしさ、笑顔、みたいなものもすごくすごく好きだ。

もうりなぷ~はアイドルじゃなくなってしまったけど、インスタとかTwitterとかWEARとか、りなぷ~は変わらず自分の好きなもの・夢を発信してくれていて、それだけで安心してしまう。

女の子のアイドルで初めて明確に持った推しだった。現場も行ったことない在宅オタクだけど、りなぷ~を好きになってよかったな。女の子の楽しさをたくさん教えてくれたから。

推しアイドルは卒業してしまったけど、明日からもとっておきのオシャレをして日々をいきていきたいなあ。